むらのおと39
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わたしの居場所を見つけた深沢緑さん(80)、山梨松江さん(76)、望月さち子さん(79)トから雑穀カレーまで、地域資源の価値の最大化に挑戦し続けています。現在、NPO法人複合力の理事長     よると、この11年間で延べ1000を務める加藤伸一郎さん(64歳)に人余りが農業体験に参加。そのうち8割はファミリー世代ですが、子どもが中学に入ると生活スタイルが変わるため、多くが辞めていきます。しかし、その中でも何人かは、個人で参加し続け、NPOの仲間になってくれるそうです。「染色サークルダイダイ」を運営する小国奈津子さん(58歳)と、鈴木亜弓さん(49歳)も今では重要なキーパーソンです。鈴木さんは初め、家族で米作り体験をしに車で40〜50分かけて通っていましたが、子どもの成長とともに、農作業に来ることはなくなりました。そんな時、染色サークルの立ち上げを知ったそうです。「子育てと仕事に追われ、気づくと自分に趣味と呼べるものがなかったのですが、草木染めをやりだしたらおもしろくなり、今では自分の居場所になっています」。お店の中は、ナチュラルな色合いに染めたカバンや雑貨が並び、素朴ながらおしゃれな雰囲気です。わたしも思わずコブナグサの草木染めのバッグとお茶染めの渋い色のミニバッグを購入しました。(価格が安過ぎるのが心配になりましたが〜)。草木染めのワークショップも開催しています。草の匂いや天然の色素を感じて染色に没頭する時間は、心が洗われそうです。マイクロツーリズムの魅力は、来る人をお客さん扱いするだけでなく、水や緑に癒されて何度か通ううちに、仲間になったり居場所となったり、徐々に深まる関係性にあるのかもしれません。遠くの親戚より近くの西里!ストレスの多い日常生活に、ほっと安らぎを提供できるのが、農村発のマイクロツーリズムです。小さな邑の未来を考える時、農業の生産性や、売り上げだけで測ると、地域づくりで大切なものを見失うことになります。自然の生態系、里山景観、人の心理に訴える安心や癒やし、水源や災害防止機能など、知らず知らず受け取っている里山の恩恵。これらを理解し、共有する仲間を増やすために、西里の皆さんは様々な知恵と力で邑を磨き続けています。しみずく にしざと静岡市清水区公共交通機関清水駅からバスで50分車の場合新東名「新清水インター」から20分、「東名清水インター」から25分。出来上がったばかりの生芋から作るコンニャクはぷるんぷるん。清水区西里

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