平成25年度登録

越地(島田市)
清流と暮らす邑
清流と暮らす邑

越地の開田と切り割り

農業に欠かせない水が豊富で、茶、米を中心に今では懐かしい田圃のレンゲ畑を再現し、そこで遊ぶ子供たち、山菜や木の実、カモシカ等の動物に触れあうことができ、朝は野鳥のさえずりで目を覚ます。そんな自然があふれる地域です。大井川の支流家山川の畔に位置した自然に恵まれた地域です。しかしこの自然は元から存在したものではありません。江戸時代末期までは、大雨が降るたびに川の水があふれ、家や田畑が流されていました。
この状況を憂いた家山地区の医師村松周庵は、2年の歳月をかけで岩山を砕き、川の流れを変えました。さらに、3,000メートルほどの堤防を築いたり、10ヘクタールほどの新田を作ることで、水害の苦しみから村人を救ったと伝えられています。


懐かしいレンゲ畑が広がります
懐かしいレンゲ畑が広がります

レンゲ畑からとれた米

地域の農村資源や環境を守るべく、自治会を中心とした4つの町内会により地域活動が計画されています。 現在は、井水の会、子供会、花の会、消防団、老人会などの組織と自治会が連携し、農業用施設の管理や補修、地域の花壇への植栽、レンゲ畑での保育園児との交流などの活動が行われています。地域の自然やレンゲ畑を通じた地域住民の交流は、新たな農作物の導入や従来品の発展などの取り組みに繋がっています。
最近では、レンゲ畑でとれた米を「レンゲ米」と名付け、販売も行っています。レンゲ米を契機とした今後の地域の農業の変化が期待されます。


ノスタルジックな邑のシンボル
ノスタルジックな邑のシンボル

越地ならではの見所

家山トンネルを越えて300mほど行った道沿いに、屋根が三角形で見張り台が円形の櫓があります。
半鐘や螺旋状のはしご階段、ホースを干すための滑車などが現存し、邑にノスタルジックな雰囲気をかもし出しています。昔懐かしい火の見櫓です。
野守の池は大井川の三日月湖で、島原の遊女野守太夫 (のもりだゆう)と夢窓国師(むそうこくし)の悲恋物語が伝えられています。春には桜がと花菖蒲が美しく咲き乱れ,ヘラブナ釣りや散歩を楽しむ家族連れが多く訪れます。毎年8月15日には「野守まつり」が開催されます。

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