
深良用水の設備
世界かんがい施設遺産「深良用水」
深良用水は、江戸時代の初めころまで用水確保が困難であった駿東地域に、芦ノ湖の湖水を箱根外輪山の湖尻峠の下を水路トンネルで導水するため、1670年に造成された農業用水です。この水路トンネルは、深良用水隧道と呼ばれ、現在も地域の農業を支える重要な施設となっています。この深良用水は、平成26年に世界かんがい施設遺産に登録されました。

深良用水まつり仮装行列の様子
深良用水に感謝する
本地域では、4月に「深良用水まつり」、11月に「深良地区コミュニティまつり」を実施しています。「深良用水まつり」では、深良用水完成当時の衣装に地域住民が扮し、地域内を仮装行列するほか、早乙女衣裳の女性たちによるお田植え初めが披露されます。「深良地区コミュニティまつり」は、各地域から様々な団体が出店し、楽器演奏や、農産物販売等が行われます。どちらの祭でも、餅まきが行われており、餅まきに使用される餅米は深良用水で育てられたもので、地域内の交流を深めるイベントとして開催されています。

小学校と連携した農作業風景
みんなで深良用水を守る
多面的機能支払組織「深良地区美しい水と緑の保全の会」では、深良用水の施設や用水がかんがいされる農地の保全に取り組んでいます。さらに、遊休農地を活用し、地区の小学校・幼稚園と連携して「稲作体験」や「芋ほり体験」に取り組んでいます。
また、深良用水周辺自治会では、かつてアマゴが生息していた川に復元しようと稚魚の放流にも取り組み、全国疎水百選に選定されている「深良用水」を地域全体で保全しています。